ボトックスの効果の持続期間はどれくらい?
歯ぎしりボツリヌス(ボトックス)の効果の期間はどれくらい?持続期間と再治療のタイミングを医学的視点から解説
※一般的に「ボトックス」という名称で親しまれていますが、これは米国アラガン社(現アッヴィ社)のボツリヌストキシン製剤の商品名(登録商標)です。本記事では、医療における一般的な治療名である「ボツリヌス治療(ボツリヌス注射)」として解説します。
朝起きると顎が疲れている、家族に歯ぎしりを指摘された…そんなお悩みの解決策として定着しているのが「歯ぎしり(咬筋)ボツリヌス治療」です。いざ治療を検討する際、多くの方が疑問に思うのが「一度打つと、筋肉の緊張が和らぐ効果は何ヶ月くらい持続するのか?」ということです。
この記事では、医学的データ(CTや超音波を用いた研究)に基づいたボツリヌス治療の効果期間の目安や、効果が切れるサイン、再治療のベストなタイミングについて分かりやすく解説します。
1. ボツリヌス注射の効果期間は「約3〜6ヶ月」
結論から言うと、歯ぎしりや食いしばりの原因となる「咬筋(こうきん)」の働きを和らげるボツリヌス注射の効果期間は、一般的に約3ヶ月〜6ヶ月程度とされています。
数々の臨床研究によって、注射を打ってから効果が切れるまでの具体的な推移が科学的に裏付けられています。
- 注射後数日〜2週間:筋電図(筋肉の電気的な活動を測る検査)の測定において、筋肉の活動が顕著に低下し始めます。徐々に顎のだるさの軽減を感じ始めます。
- 注射後3週間〜3ヶ月(ピーク):CTや超音波を用いた測定により、この期間に筋肉の厚み(ボリューム)の減少が最も顕著になることが分かっています。無意識の歯ぎしりや食いしばりが大きく軽減され、顔周りもスッキリしてきます。
- 注射後3〜4ヶ月以降:少しずつ神経の伝達が回復し、筋肉の活動が元の状態に戻り始めます。
- 注射後6ヶ月:ほとんどの効果が減弱し、再び筋肉に力が入りやすくなります。
図1:ボツリヌス注射後の咬筋の活動とボリュームの推移
2. 効果が切れるサインと、次の注射のタイミング
歯ぎしりによる歯の摩耗や、顎関節への負担を防ぐためには、完全に効果が切れる前、または「切れ始めたサイン」を感じたタイミングでの再治療が推奨されます。
効果が切れ始めたサイン
以下のような症状が再び現れたら、次の接種時期の目安です。
- 朝起きたときに、顎の疲れや重だるさを感じるようになった
- 日中、無意識に強く食いしばっていることに気づく機会が増えた
- 家族から再び「歯ぎしりしているよ」と指摘された
臨床的な観点から、前回の注射から「4〜6ヶ月後」に再受診されるのが一般的な目安です。
※短期間(3ヶ月未満)での頻繁な追加注入は、体に抗体ができてしまい効果が出にくくなるリスクがあるため推奨されません。
3. 効果を長持ちさせ、より実感するためのポイント
ボツリヌス注射の効果期間には個人差がありますが、適切なペースでの継続治療が非常に重要です。
継続治療による筋肉の「廃用性萎縮」
ボツリヌス注射は適切な間隔で繰り返し打つことで、対象となる咬筋自体が使われなくなり、徐々に筋肉が薄くなっていきます(廃用性萎縮)。CTや超音波を用いた複数の論文でも、ボツリヌストキシン注射により筋肉の体積が有意に減少することが報告されています。
筋肉そのものが小さくなることで、「以前よりも効果が長持ちするようになった」「数回の治療で歯ぎしりの強さが根本的に弱まった」と感じる患者様が多くいらっしゃいます。
図2:継続治療による咬筋のボリューム変化
4. 【当院の特徴】最新機器「マイオニクス」による客観的なリスク・後戻り評価
歯ぎしりや食いしばりの強さ、筋肉の緊張具合は、患者様ご自身の感覚だけでは正確に把握しづらいものです。
そこで当院では、最新のホルター筋電計「MyOnyx(マイオニクス)」を用いて、「筋電圧(筋肉の電気的な活動量)」を客観的に測定する取り組みを行っています。
筋電圧計「マイオニクス」とは?
マイオニクスは、皮膚の上から咬筋(エラの筋肉)の活動を測定し、筋肉の緊張具合をグラフや数値で「見える化」する検査機器です。痛みなどは全くなく、わずか数分で検査が完了します。(※健康保険適用で検査が可能です)
- 治療前の「リスク評価」:
統計的な平均値と現在の数値を客観的に比較し、適切なボツリヌスの投与量を決定します。 - 治療後の「後戻り評価」:
「そろそろ効果が切れてきたかも?」と感じた際にも再度測定を行うことで、感覚だけでなく客観的なデータとして筋肉の活動再開(後戻り)を評価し、再治療のベストなタイミングを科学的に見極めます。
図3:筋電圧計マイオニクスによる測定
▶︎ 当院の歯ぎしり・食いしばり治療、マイオニクス検査の詳細はこちらをごらんください。
ご予約・お問い合わせ
歯ぎしりや食いしばり、ボツリヌス治療に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。
最新の筋電計によるリスク検査(保険適用)も承っております。
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(受付 9:15~13:00 / 14:15~18:00 休診日:土日祝)
【参考文献】
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- Raffaini M, Cocconi R. Botulinum toxin for masseter muscle reduction. Atlas of the Oral and Maxillofacial Surgery Clinics of North America. 2018;26(1):37–45.

